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教養としての翻訳通訳を学ぶ―翻訳通訳リテラシー

この記事の概要
翻訳通訳リテラシーは、「翻訳通訳の概要を理解し、対応できる基礎能力」と定義されています。このリテラシーを教育する目的として、翻訳サービスのユーザビリティ向上・翻訳者たちの社会的地位の向上・未来の翻訳者、研究者の育成の3つが挙げられています。

翻訳通訳リテラシーという言葉の背景には、グローバル時代の到来によって文化と言語が入りみだれ、翻訳通訳のニーズが高まってきている状況があります。

翻訳通訳リテラシーとは

翻訳通訳リテラシーは、「翻訳通訳の概要を理解し、対応できる基礎能力」と定義されています。

これは、生活に必要不可欠な分野にある程度に精通しておくことで生活がより豊かになる、という考え方によるものです。メディアを理解する情報リテラシーや、医療情報を読み解く医療リテラシーなどについても同じことが言えますね。

つまり、翻訳通訳は生活するうえで無くてはならない時代がやってきた、ということです。

そして、この翻訳通訳リテラシーを学生に教育しようという流れがきています。

翻訳通訳リテラシー教育

教育の3つの目的

翻訳通訳について理解を深めることで、 これらの目的を達成することが期待されています。

翻訳通訳リテラシー教育の3つの目的
  • 翻訳通訳サービスやツールの効率的な使用法をユーザーに教育する。
  • 翻訳者・通訳者の重要性を社会に広める。
  • 未来の翻訳者・通訳者・研究者を育成する。
ワカテ翻訳はまさに「翻訳通訳リテラシー」を育む学びの場を目指しています。

ゆうすけ

日本の翻訳通訳リテラシーはまだまだ低いと言われています。

機械翻訳に丸投げしたであろう訳文をそのまま使用している商品やウェブサイトを見かけることは少なくありませんし、言語に堪能ならば翻訳・通訳できると誤解している人も多いでしょう。

これらは翻訳通訳の知識がまだ十分に浸透していない証拠と言えます。

経済的、政治的、その他多くの面で諸外国との繋がりが深くなっている昨今、翻訳通訳の知識はますます重要になってきているのです。

オンライン教材

2015年には翻訳テクノロジーの発展にともない、『翻訳テクノロジーを学ぶ』というオンライン教材が公開されました。

翻訳テクノロジーに関する基礎的な知識をEラーニング方式で学習できます。学習できる内容は産業翻訳で広く使われる翻訳支援ツール(CATツール)・近年、急激な進化を遂げている機械翻訳・製品をシステム全体から多言語化するローカリゼーションなどがあります。

まとめ

  • 翻訳通訳リテラシーとは「生活を豊かにするための翻訳通訳の理解・対応能力」である。
  • 翻訳通訳リテラシー教育により、サービスやツールの効率的な利用、翻訳通訳の重要性の再認識、これからの翻訳者の育成、などが期待されている。

最近では学部生に向けての翻訳通訳リテラシー教育の実践報告が出てきています。2013年には立教大学において一般選択科目に「翻訳通訳と現代社会」が追加されました。

これから徐々に翻訳通訳を学ぶ機会が増えていくことでしょう。

ゆうすけ

参考文献

近年に見られる翻訳のあり方を様々な観点から論じる一冊です。映画、ゲーム、テクノロジー、戦争、教育など、多様なジャンルと翻訳通訳との接点に関する論文がまとめられています。

ゆうすけ

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